CanvaとAdobe Expressの機能を比較していきます。まずよく聞かれる
「Adobe Expressってなにができるんだっけ??」
という質問に一言で答えるなら…Canvaに似たオンラインデザインツールだよ!です。
ただし、CanvaにはCanvaならではの特徴があり、Expressは他のAdobeアプリとの連携できたりとそれぞれ特徴があるんです。
個人的な感想を交えながらまとめます。
結論「どちらを使えばいいの?」
個人的には、無料ユーザーにはCanvaの方が使いやすいと思います。
ただ、Adobeに課金している方は、Adobe StockやAdobe Fontsが使えるAdobe Expressが便利という場面も多そうです。
操作感に大きな違いはありません。
逆に、他の国のオンラインデザインツールはまだカクカクしたりフリーズしたりしがちなので、そのあたりと比べるとCanvaとAdobe Expressは非常に使いやすいです。
もうちょっと詳しく書くね。
フォント編
フリープランで使えるフォントは、Canvaの方が圧倒的に多いです。
「えっ、こんないいフォントあるの?」と驚いたことが何度もあります。
例えば、筑紫AMゴシック、あかかね、つなぎゴシック、筑紫Aオールド明朝など。
なぜ無料で使えるのでしょうか…。
有料プランだと、Expressも負けていません。
なぜなら、日々使い慣れているAdobe Fontsが使えるからです。
フォントはデザイン制作の手足です。
「スピーディーに仕事するためには、いつも使っている道具」を使うことが非常に大事です!
しかも高品質。
貂明朝アンチックもいいですね。
Canvaに太さのあるアンチック書体は多分ないです。
とは言っても、Canvaも有料プランになると、筑紫B丸ゴシックやMorisawa 勘亭流などが使えます。
この辺りはまた別の記事でまとめようと思います。
素材編
Expressは「Adobe Stockが使えて最高!やばい!」と思っていたんだけど、現状イラストに微妙な点があります。
何が微妙って、イラレなどで使うときには便利であろう「10点画像集」みたいなのが検索で出てしまうからです。
個別に分けられない10点画像です…。
とんでもなくいいイラストがAdobe Stockにはあるんですけどね。
Canvaは僕も素材を作っていますが、高品質の素材がかなり増えています。
ここ1年で日本語の素材も増え、日本語の素材が見つかりやすくなっている印象もあります。(前は英語じゃないと見つからないものが多かった)
文字周り機能編
1文字ずつ文字間調節ができるのは、Adobe Expressだけです。
早くショートカット対応して欲しい!
これだけでAdobe Expressを選ぶ理由になりえるかと思います。
#朝までAdobe Express でも解説した「シェイプ」機能で、1クリックで文字を吹き出しにする機能は、初めて使ったとき「これこそ、オンラインデザインツールに求められる機能!」と興奮しました。
シェイプ機能はAdobe Expressだけ。
気軽にあしらいのパターンを作れて時間が浮く。
文字の下に色を敷く「座布団」はCanvaでもできるけど、座布団のデザイン性・拡張性はAdobe Expressの方が上かなと思いました。
こういうアピアランスみたいなところは、Adobe Expressが強いです。
Adobe Expressだけができること(2024年11月)
- 乗算!
- 線の種類を筆っぽいにできる
- 線と塗りを反対にするボタン(文字フレームでも対応してて最高)
- 強制的に色を変える(とりあえず選択して文字や四角などの色を変更できる)
- CCライブラリとの連携
- Lightroomでクラウド保存している画像が使える
- Illustratorとクラウドで連携
- スウォッチの共有(そもそも馴染みのあるスウォッチがあるのがいいですね)
※使っていて気付いたところだよ。調べ。
Canvaの方がいい感じのこと
- 操作性
- 素材の検索性
- テンプレート数(僕も600個くらい作ってます)
- フォントの数
※まだまだあるけど、本日Adobe Express脳なため後日追記。
ここまでの色々を踏まえて、どちらを選ぶべきか
結論としては、大半の場面ではCanvaを選ぶことになるのではないかと思います。無料で使えるフォントも多いし、テンプレートも多い。
ただし、Adobeを導入している会社とかだとAdobe Expressを選ぶ場面もありそうです。
デザイナーが使い慣れたAdobe FontsやAdobe Stockを使い制作し、1部の要素をロックして非デザイナーやクライアントにデザインを渡す。
クライアントが自分でテキストなどを修正する場面では、Adobe Expressの方が使いやすいかもしれません。デザイナーがアドビをいつも使ってるから慣れてるほうが制作が速いからね。
あと、Lightroomとの連携、乗算が使える、線の種類が選べる、Adobe Fontsが使えるなどなど、Adobe Expressを使う理由は色々とあるのですが、アドビに契約している人じゃないとAdobe Expressの機能をフルでは使えません。そうなると無料で使えるCanvaから入ってしまうよな…というのが感想です。
※でもAdobe Expressも最近アップデートがすごいのとテンプレートが増えているので、来年はわからない!
価格プランの比較
CanvaもAdobe Expressも無料で始められるのは同じ。ただ、有料プランの内容や料金がちょっと違うんですよね。
- Canva Proは、月額1,180円(年間契約で11,800円2ヶ月お得)で、テンプレートや素材が無制限に使えます。フォントのアップロード機能もあるので、自由度が高い。さらに、チーム機能があって、複数人で使いたい場合も便利です。
- Adobe Expressの有料プランも、月額1,180円で利用できます。Creative Cloudの契約者なら追加料金なしで使えるのも大きなポイント。これでAdobe StockやAdobe Fontsが使えるって考えると、コスパはかなり良いと思います。ただし、単体プランだとAdobe製品との連携は少し制限がある感じ。
どちらも手軽な価格で始められますが、チーム利用やテンプレの量で選ぶならCanva、Adobe製品をすでに使っているならExpressが良さそうですね。
そもそもオンラインデザインツールの使い道とは?
基本的にデザインはIllustratorで作ればいいのは間違いないのですが、デザイナー以外の人が入ったプロジェクトの時はCanvaやAdobe Expressは非常に役立ちますね。
例えば、飲食店や小売店で、スタッフがPOPの文言を変更したい場合を想像してください。
▼こんなデザインを店に貼ったりSNSに投稿するとき、「ちょっとだけ文言変えたい!値段と産地だけ変更したい」って場面あるじゃないですか?
デザイナーに言えば直してくれるけど、できれば投稿する人がちゃちゃっと修正したい場面ね。
そんなときは、このデザインをそのままURLで共有することで
・フォントもインストールしなくて
・低スペックのパソコンでも
オンラインデザインツールだと編集ができちゃうんですね。
(非デザイナーの人のパソコンがIllustratorを入れれるスペックじゃないことも多いよね)
これで、デザイナーが作った高品質なデザインを、非デザイナーが編集することができます。便利〜!
この事例でCanvaまたはAdobe Expressメリットをまとめると:
- Canva、Adobe ExpressはIllustratorが入らないくらいのスペックのPCでも動く。
- フォントもインストール必要なし。
- 現場の文言変更が楽(イラレ使えない人でもピンと来るUIになっている)。
- Canva、Adobe ExpressにはSNS予約投稿機能や、一部の要素を編集不可にするロック機能が備わっています。
僕も過去にグラノーラ屋をやっていて、グラノーラを作る工房には3万円のPCしか置いてなかったので、リアルにありえそうな話かなと思います。
この記事のまとめ
この記事では、CanvaとAdobe Expressの比較を通して、それぞれの特徴や使いどころについて解説しました。
主要なポイント
- Canvaの強み
- 無料プランでも使えるフォントやテンプレートの数が圧倒的。
- 素材の検索性が高い、日本語フォントも選びやすい、操作性もいい。
- 特に無料ユーザーや初心者には使いやすいツール。
- Adobe Expressの強み
- Adobe StockやAdobe Fontsとの連携が可能(特に有料プランだといい感じ)。
- 「シェイプ」機能や文字間調整など、デザインの自由度が高い。
- 他のAdobeアプリ(LightroomやIllustrator)との連携。やすい。
- どちらを選ぶべきか
- 無料プランならCanva。
- Adobe製品を利用中で、他のAdobeツールとの連携を活用したい場合はAdobe Express。
- オンラインデザインツールの役割
- デザイナーが大本のデザインを作成し、クライアントや非デザイナーが細かい編集を行うといったシチュエーションで、両ツールとも非常に役立つよ。
忖度
本当はどっちとか言いたくないけど、書いたほうがユーザーのためになるので書きました。アドビもCanvaもずっと使ってて好きだから関係者の人には見ないで欲しいです!
でも逆を言うと「絶対的にこっちの方が優れてる!」という感じでもないのでこの記事を書けたんです。どっちにもいいところがある。
正直に書かないとさ、インターネットつまらなくなるじゃん。でもPRの時はちゃんとやるよ!