デザインが一瞬でレベルアップする最強の特効薬「あたらしい、あしらい。」レビューします

大ヒット作けっきょく、よはくのシリーズで「あたらしい、あしらい。」という本が出ると聞いて僕は興奮していました。


だって、タイトルですぐにピンときました
これは名作だ、僕らが知りたかったことだと思いました

目次(タップで飛べます)

「あたらしい、あしらい。」とは

「あたらしい、あしらい。」は「けっきょく、よはく。」と同じように、

新米デザイナーが作ったデザイン
先輩デザイナーが作ったデザイン

この2つのデザインを比べる構成です。

この構成の良いところはこの4つを知れることです。

  • 間違ったデザイン
  • 間違いのデザインができた理由
  • それを直す理由
  • それを直した結果のデザイン

この4つを全部見れるのが最高です。
そして「間違ったデザイン」本当にありそうなデザインなんだ。

下の右の例を見てください。
デザインを始めたばっかりのときに作りがちなデザインなんです、あれ??これ作ったのは2005年のの俺かしら…

この「下の緑塗りつぶし」とか、やりがちだよね。
悪くないけど、明らかに右側のデザインの方がいい

理論通り、線を入れたり、レイアウトをしっかりするけど、しっくりこない
しっかりするけど、しっくりこないデザインってわかりますかね?
ルールは守っているけど、感覚的によくない心に響かないデザインというか…

こういう時に「あたらしい、あしら」いはめちゃくちゃ効きます。

この本は中級者向けだと思うのですが、初心者にも使えるように解説していきたいと思います。

あしらいとはなんだろう?

まずあしらいとは…デザインの装飾のことです。
たとえばこんなのです

そして、あしらいをたくさん集めると…デザインになります

あしらいを学ぶことで、デザインのパーツ一つ一つのレベルを上げることができます。

この本の強み「あしらいはデザインの特効薬」すぐに効く

デザインってなにから学べばいいかわからないじゃないですか
デザインを作っていると「なんか違うなあ」ってことがあるじゃないですか

デザイン制作に迷ったそんな時に、すぐに使えるのが「あしらい」を変えることです。
厳密に言えば、あしらいを変える他にも、レイアウトを変える、配色を変える、というのもあるけれど…
レイアウトも配色も本の通りやっても難しいと思うんです

そんな時に効くのがあしらいです
あしらいはデザインの特効薬。すぐ効きます

でも私達は、どんなあしらいを使えばいいか授業で習ったことがありません、僕も習っていません。
この本で

①どんなあしらいがあるか
②そのあしらいはどこで使うのが適切か

この2点を学んでいきましょう!

古いあしらいとは

感覚的にいうとファッションを思い浮かべるとわかりやすいかも。
たまにテレビに映る10年前映像を見ると着ている服が結構違うなあと感じるじゃないですか

デザインも流行り廃りがあるんです。
たとえばこんな感じ



その時代では(あるていど)よしとされたけど、今はダサく感じてしまうものってありますね

あたらしい、あしらいの好きなページを見ていこう

まずはこちら
文字の処理ですね。

右は文字をそのまま打ったかたち。
レイアウトの法則を使って、左右は揃えたけど、なんだかいまいち…
でも、右の例は…あか抜けていますね。

右の例の「50」部分みたいな文字の使い方ってフォントじゃなくて、自分で作っても難しくないんですよね
作るのは難しいけど、思いつくのが難しいんです。

この本からパクって仕事に使えるなあと思いました

で、肝心なのはいつ使うべきかです。

何度言いますが、デザインは良いものが良いわけじゃなくて、どこでどんなデザインをするのが大事です。
かわいい表現は、可愛いデザインで使う
ビジネスっぽいデザインは、ビジネスっぽいデザインで使う

下のこの「SALE」の文字、このビフォーアフターどちらの例も悪くはありませんが、この2つはどういう表現なのかが説明されています。

上の例:ヌケ感はあるけど、軽快すぎる(弱い?)
下の例:軽快でだけどもう少し強い

SALEという文字なので、ある程度の強さが必要なことが多いので、下の例になったのですね。
ただ、上の白抜きののSALEという文字も、デザインによっては使えるかも知れない…
そこを理解するのがこの本のポイントだと思います。

ちなみにSALEをめちゃくちゃ目立たせたかったら、こうやって赤く太くすればいい

だけど、この強さがデザインに合わないときってあるよね。
なので、微妙〜な表現方法が必要なんです。

それを学ぶ本です。

ここからは駆け足で事例紹介したい

ささっと行きます

テクニックが詰まってる〜。
詳しくは本で見てね、こんな事例がたくさんあって、240Pくらいあるんだ

この事例は仕事で使えそうなデザインですよね。

そして和つながりでこんなのも[和のあしらい]

あたらしいっぽい、和のテクニック。
なんだかんだ、日本語を使ってデザインって需要あるので使いみちがありそう

ミニテクニックもいい感じ、フォントや配色のことも書いているし。
こういう日本語だとYouTubeのサムネイルとかでも使えそうなテクニックじゃないですか?

ポスター・チラシの定番、日付の処理も。
ああ、これを学校で教えてもらいたかった

仕事で本当にありそうなデザイン

あるあるこういうの。
めちゃくちゃキレイに処理しています

ちなみに、この打ち合わせメモも必見です

これ、例えば「健康と生きよう」というテーマで10代や20代に向けたイベントだとどうなると思いますか?

めちゃくちゃスタイリッシュにしたほうがいいと思います。
写真多めで、文字は小さくしたり、10代向けなら「詳しくはYouTubeで」とかでもいいのかもしれない

つまり、打ち合わせ内容を知ることでターゲットを知り、デザインの方向性が決まるんです。

わかりやすい例

お客さんに、リボンを使ってくれと言われたりして、素材集で探したリボンを使った感じの事例ですね

リボンの使い方としては、このくらいがいいと思うなあ
お客さんに納得してもらえるといいですね〜

ちなみにあたらしくないあしらいも載ってる

タイトルはあたらしい、あしらいですが、すごく新しいあしらいばかりが載ってるわけじゃなくて

使いやすいあしらい

とか

かわいい系で使えるあしらい
スタイリッシュ系で使えるあしらい

をジャンル別で紹介されてたりします。
タイトルはあたらしい、あしらいだけど、「使いやすいあしらい」を「使う場所を教えてくれる」本でもあります。

例えば、こんなの
今どきではあるけど、昔から使われているような定番のやつもある

このミニテクニックはめちゃくちゃ使えるね



デザインは
①いいデザインを
②てきせつな方向性で作る

この2つがめちゃくちゃ大事です。

ビジネスマン向けに、めちゃくちゃかわいいデザイン作ってもダメでしょ。
ターゲットに向けて方向を揃える。
それがめちゃくちゃ大事です。この本にもターゲット(ジャンル)別にあしらいが載っています

まとめ

以上、あたらしい、あしらいのレビューでした

僕は著者のingectar-e さんの本がめちゃくちゃ好きなんです、デザインもいいし解説も良い、だから好きです。
楽しく学べるしデザインも好みです。

だからって贔屓しているわけじゃなくて、今回も最高のできだったんですよ。
自分もデザインを教えることをしているからこそわかる、なんていうかなめらかな教育方法というか、いつの間にか学んでいる手法。
美しすぎて芸術的に思え感動したほどです、自分でも意味わからないけどそう思ったんですよ…

あたらしいあしらい

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