デザイナーのベーコン(@dogdog464646)です。
ベーコン
札幌在住のグラフィックデザイナー。
著書 レイアウト・デザインの教科書(SBクリエイティブ)
犬のYouTubeは登録者11万人超え、2024年も音楽制作をやっていきたい、あとデザインブログもね。
Adobe MAX2023出演、Canva公式クリエイターだよ!月30個くらい無料で使えるデザインテンプレ作ってるよ!
20歳の頃、この本を友達に勧められて買って感激しました。
当時はデジハリに通ってたけど、デザインを教えてくれるところではなかったので、当時デザインの勉強はほぼこの本だけでしました。(でも、デジハリはソフトの使い方、業界の空気、恩師、仲間など得るものもいっぱいありました。授業料は目玉が飛び出るほど高かった…!)
ちなみに当時からこの本、実は全部は読んでません…。自分にあってるところだけ読んでる感じです。それでも全然勉強になったと思っています。
というわけでこの記事では、ノンデザイナーズ・デザインブックの「当時好きだったところ」と「久々に読んですごいと思ったところ」を紹介します。
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17年前にノンデザイナーズ・デザインブックを読んで勉強になったこと
思えば当時はデザインをやさしく教えてくれる本が少なかったように思います。(同じ時代を生きたみなさんどうでしょう?)
・教科書のように明朝体で書かれた本文
・難しそうなタイポグラフィでしっかりと理論や事例を教えてくれる本
などなど、「わーお!ロッケンロール!」みたいな僕には理解が難しい本が多かった気がします。
そんななか、同じクラスのHさんが教えてくれたノンデザイナーズ・デザインブックは、10分でわかるデザインのコツみたいなものが載っていて夢中で読んだのを覚えています。
デザイン4原則との出会い
簡単に言えば、10分でわかるデザインのコツ、それがデザイン4原則です。例えば、「強弱」とは大きさの差を出すことで、デザインにインパクトを与え、プロっぽいデザインにする方法です。
僕も20歳の頃、なんとなく無意識に使っていたのですが、ノンデザイナーズ・デザインブックを読んで事例とわかりやすい言葉で「強弱」を理解し「ひとつもわからない、デザインが少しわかったぞ!」と思ったのを覚えています。
そして同じように、4原則の整列、反復など、事例を見ながら、うんうんうなったのを覚えています。確か実家のストーブの前で読んだ気がする。シチュエーションを覚えてるくらい衝撃だったんです。
>>CreatorZine(クリエイタージン)でデザインの4原則をわかりやすく解説する記事を書いているよ。
でも今はいい本がいっぱいある
今はノンデザイナーズ・デザインブックの内容を現代版にブラッシュアップした本がたくさんあります。
例えば僕が読んでいいなと思ったのは「なるほどデザイン」「デザイン入門教室 [特別講義]」「レイアウトデザインの教科書」などなど、デザイン4原則をわかりやすくカラフルな事例で解説してくれます。
じゃあ、「今は古いノンデザイナーズ・デザインブックを読んでもわかりづらいだけかな?」と思うじゃないですか?最近久々に読んでみたんですよ。すると…びっくりしました。これはこれですごいわ…ってなったのですよね。
ノンデザイナーズ・デザインブックを2023年に読んでみたら
まず思ったのが、思ったより深くデザイン4原則について書いてあるということです。
この本からデザイン4原則が始まったならば、最初はふわっとした原則で、それを現代版にアレンジされているのかなと思ったんです。でも、この時点でデザイン4原則は完成されているんですよね。こんなにデザイン4原則をわかりやすく深く解説していることにびっくりしました。
最近、僕は仕事でデザイン4原則についてまとめる機会が多いです。そのときに「自分が思いついたデザイン攻略理論」を書いているのですが、ノンデザイナーズ・デザインブックを読み返してみるとそれが全部書いてあるんですよね…
と、いうわけで!ここからは具体的に「うわ…!!これ自分の中から出てきたと思ったら、ノンデザイナーズ・デザインブックに書いてるじゃん!」って思った内容を紹介します。
強弱(コントラスト)の応用方法が既に書かれていた
「うわ…!これ自分の中から出てきたと思ったら、本に書いてるじゃん!」と思った1つ目はデザイン4原則「強弱」についてです。
僕が自分で発見したと思った強弱の応用方法はこんな感じ。
強弱はみんな理論を意識せずに使うので、もっと大げさに「強弱」する。
「もっと大げさに強弱を使う」というニュアンス部分の話は、デザインを教えてくれる本にはあまり書いていないかなあと思っていたのですが、改めてノンデザイナーズ・デザインブックを読んでみると既にこう書かれていました。
一般の人も強弱できるけど、本気になっていない
もっと大胆に強弱をするべきだ
まったく同じこと書いてる!びっくりした、自分で発見した考え方だと思っていました。
それだけじゃなくて、反復の応用方法も書かれています。
反復の応用方法も既にかかれていた
世の中にあるデザイン解説本、ブログ、Pinterestの画像を見てみると反復とはこう書いてあるはずです。
・反復とはデザインの特徴を繰り返すこと。
・要素を繰り返し用いることで一貫性や統一感を出すこと。
普通は「反復とは繰り返すこと」と書かれているのですが、僕は反復の大きなポイント(応用)は反復を裏切ることだと思ったのです。これを言語化できたのは2023年です。
しかし、1994年に書かれたノンデザイナーズ・デザインブックにはこう書かれています。
反復は、服装にアクセントを付けることと似ています。
30年近く前に、既に反復を裏切るってアクセントを付けることの重要性が書かれていました。参ったね。
今回ノンデザイナーズ・デザインブックを読んだ新しい発見
ちなみにノンデザイナーズ・デザインブックを読んで新しい発見もありました。
まず反復について、上にも書いたようにこの2つは理解していたんですが…
・反復は繰り返すことで、一貫性を持つこと
・反復を外すことでデザインにアクセントを付けること(外しテクニック!)
ここまでは理解していたけど、自分の中でうまく言語化できていないことをノンデザイナーズ・デザインブックに教えてもらった。これです。
反復のことを理解したなら、デザインの中でもっと反復できる場所がないかを探す。
例えば数字を白抜きの文字にするなど、特徴的なデザインパーツを作ってそれを反復する。
これどういう意味か、わかりますか?
必要な情報は入れたけど、これ以上どうやってデザインのクオリティ高めよう?ってときあるじゃないですか?
そんなときの一つの解決策として「特徴的に反復できる要素を意図的に増やそう」と書いてあるのです。つまりデザインのクオリティを上げたいなら(ひとつの手法として)反復できる特徴的なパーツを増やすことが大事。
そうすることで美しさの意味でデザインがよくなるということです。
ノンデザイナーズ・デザインブックは「基礎的なデザイン4原則の本」「そこから発展した裏切りなどの応用は書いてない」と勝手に思っていたけど、久しぶりに読んでみたら今でも十分実用的で、基礎から応用までしっかりと説明されているデザイン本だと思いました!
最後に
あとさ、今回じっくりと読んで思ったのは、この本は意外と横にそれる話が多いよね。でもそれが親しみやすくてリアルな感じがします。
親しみやすいし、僕のデザイン講座も同じスタンスなので嬉しくなりました。僕はできれば勉強はおもしろく学びたいと思っています。少し横にそれて、身近な話題で例えてくれるデザイン講座が好きです。
ノンデザイナーズ・デザインブックで衝撃をうけたのはわかりやすかっただけじゃなくて、親しみがあったからなんだなと17年後の今気づきました。
追記 期待し過ぎには要注意
どのデザイン本も最後まで読んでます?
僕はどの本も100%すべて読んでいることはない気がします「今の自分に理解できるやところ響くところ」が本の中で5ページくらいあれば元を取れるなあと思います。
元を取るというのは、その勉強した技術がお金になったり、本を読んでやる気になること。
そう考えると完璧主義にならすぎず数ページを取り入れて、レベルアップできればいいんじゃないかなあと思うのです。
なのでノンデザイナーズ・デザインブックにも期待しすぎずに、でもこの本でしか手に入らない情報や感覚を手に入れて今後10年、20年と使える知識と技術を身につけましょう!
と、書いていたらまたこの本を読みたくなってきた、2、3ページでも読んでみよっと。
▼僕も参加した本です…!
▼光栄すぎるよ、特典PDFに参加できた!感想や裏話あるよ、ブログ書きます。
▼追記イベントが開催されることになりました!